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この試験は、炭酸ガス吸着剤についてその平衡吸着量を定式化する基本デ一夕及び破過曲線を求め、炭酸ガス除去装置の設計のための基礎データを取得することにある。

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Fig.3 Hyperbaric Environmental Control System

4−1 炭酸ガス平衡吸着量測定試験
Table-1に炭酸ガス平衡吸着量測定試験時の条件を示す。Fig.4には高精度全白動ガス吸着試験装置の流れの概要を示す。今回は定容積法を用いて炭酸ガスの平側吸着量を測定した。
Fig.5,6及び7にモレキュラーシーブMSについての吸着等温線を示す。横軸に炭酸ガスの吸着平衡圧、即ち平衡分圧を、縦軸に炭酸ガスの吸着容積Veを示している。3.8mmHg(0.005ATA)は、この研究で目的とする炭酸ガスの分圧である。
Fig.中、黒色印は実験データを示し、実線は(1)式に示すラングミュア式による力一ブを示す。

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Table-2にラングミュア式に当てはめた平衡吸着量測定試験結果のまとめを示す。Table中“a”、“b”及び“ab”は吸着等温線の概算4)を行うためのラングミュア式に近似した場合の係数を示している。
また相関係数はラングミュア式から求めた近似値に対する実験テータの相関を示している。この相関係数の値から炭酸ガスの低分圧領域においては平衡吸着量はラングミュア式により近似できることが確かめられた。
Fig.8にラングミュア式により概算した炭酸ガス平衡分圧3.8mmHgの場合の平衡吸着量の概算結果を示した。これらから次のようなことが確かめられた。炭酸ガスの分圧が3.8mmHgの場合MS[A-5(5A)型]の平衡吸着量はMS1F-9(13X)型1或いはMS13X812B(13X)型1に比べ大きく、温度が低くなるにつれて吸着効率が上昇することが確かめられた。
Table-3はMS(5A型)の窒素及び酸素1に対する平衡吸着量5)を示す。
この表からMS(5A型)は炭酸ガスの吸着量だけではなく窒素や酸素に対しても共吸着量が多いことがわかる。それ故に高気圧環境下において、MS〔A-5(5A)型]の平衡吸着量は窒素や酸素の共吸着により炭酸ガスに対する吸着効率が低下すると考えられる。そのため、次に示す吸着破過試験には吸着剤としてMS〔F-9(13X)型〕を選定した。

Table-1 Conditions of the adsorption equilibrium experiment

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Fig.4 Flow of high precision automatic gas adsorption instrument

4−2 吸着剤破過試験
吸着剤破過試験の目的は吸着剤の高気圧環境下における吸着剤の破過時間に関する基礎テータを取得することにある。Table-4に吸着破過試験の条件を示す。Fig.9に破過試験に用いた試験装置の流れの概略を示す。
Fig.10及び11に吸着剤としてMS(F-9型)を用いた時の吸着剤破過試験の結果を破過曲線として示す。破過時間を用いて、吸着効率を評価するとFig.11からMS(F-9型)の炭酸ガス/ヘリウム混合ガスに対する破過時間は炭酸ガス/窒素混合ガスに対するものの約2倍になっていることが確かめられた。
このことはMSがヘリウムをあまり吸着しないことに起因すると考えられる。これらのことから窒素が

 

 

 

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